
石原葉
Walking in the forest
2022.6.25 - 7.13
概要
1988年宮城県生まれ、山形県を拠点とする石原は「価値観の違う人々との共生」をテーマに活動を展開してきました。
絵画制作においては、インターネットの普及以後の社会で生きる私たちが無自覚に他者に重ねてしまうフィルターを思わせる、白い絵具で表面を覆ったり削ったりする行為を加えた人物画や風景画を手がけています。また「シアトリカリティ」(演劇性)を造形論として捉えることでバラバラな視点を持つ現代人が一時的に立場を共有して作品を受容する方法を研究し、実際に演劇集団に参加するなど多分野に活躍の場を広げています。
タイトル「Walking in the forest」は石原の周囲の生活環境や実際の体験から導きだした、作中のメタファーとしての木々に関する思考から付けられたものです。
今回の展示は、私たちが持つそれぞれの世界観の見直しを迫る石原の作品を北東北で見ることができる初めての機会となります。
ぜひご覧ください。
展覧会に寄せて・石原葉の言葉
昨年の冬、私は暇さえあれば近くの花咲山という山を歩いた。久々に雪の多い冬で、地表から何十センチと雪が積もり、靴底は雪を踏み締めているのに現実感がない。山を降りればすぐ人里だというのに木々に囲まれ道行は白く、物思いにふけるのに適していた。
芥川龍之介の作品に『藪の中』という短編がある。結ばれたばかりの若い夫婦が強盗に襲われ夫は殺される。聞き取りをする検非違使に目撃者や当事者は語るが少しずつ齟齬があって実態は分からないまま。「真相は藪の中」の語源にもなった話である。決して大木ではない木々でも視野を隠すにはちょうど良い。隠れたパーツが違えば見えてくる風景も違う。タイムラインに流れてくる感染者数も、死傷者数も数字に整理されてしまえば彼らの日常は見えないし、ネット上に流れる少女の笑顔はAIで作ることが出来る。
それでも正しいか正しくないかは脇に置いて、木々の隙間から見えてしまったものに感情を持たざるえない。その風景を誰かと共有できなくとも。
Walking in the forest. 森の中を歩く。随分前に雪は溶けた。裸の木々が生い茂り始め、森は深くなる。
石原葉
Walking in the forest
会場
Cyg art gallery
(〒020-0024 岩手県盛岡市菜園1-8-15 パルクアベニュー・カワトク cube-Ⅱ B1F)
日時
2022年6月25日(土)ー7月13日(水)
10:00–18:30/会期中無休
在廊予定日
2022年6月25日(土)、6月26日(日)
※休憩などで不在の時間帯があります。ご了承ください。
入場料
無料
作家プロフィール
石原葉/Yo ISHIHARA
1988年生まれ。2020年東北芸術工科大学大学院博士課程修了。
他者との共存をテーマに絵画制作、他アーティストとの協働を行う。
佐藤国際文化育英財団第25期奨学生、神山財団芸術支援プログラム奨学第2期生。東北画は可能か?、演劇集団ゲッコーパレード所属。
[主な個展]
2018年 | Jungle in your eyes /フリュウ・ギャラリー(東京) |
2019年 | 2019年 石原葉展 /Chinese Restaurant CAREN (山形) |
博士学位審査展示 不法侵入/東北芸術工科大学 7F the TOP | |
2020年 | Who /靖山画廊(東京) |
[主なグループ展]
2017年 | 美大生展 /SEZON ART GALLERY(東京) |
森のイロドリ 野のコトノハ /今井アートギャラリー(山形) | |
相転移 /KUGURU(山形) | |
モノクロマティカ ㈿ /フリュウ・ギャラリー(東京) | |
TOHOKU CALLING /千代田3331(東京) | |
神山財団芸術支援プログラム第3回卒業成果展 /銀座アートホール(東京) | |
2018年 | 第六回悠々貫々展 /ギャラリー専(仙台) |
スクエア ザ・ダブル vo12 /フリュウ・ギャラリー(東京) | |
TOHOKU CALLING small works /オリエアートギャラリー(東京) | |
Artmore Award Exhibition /弘重ギャラリー(東京) | |
Multi layered surfaces /NICA(東京) | |
神山財団芸術支援プログラム 第四回卒業成果展 /FEI ART MUSEUM YOKOHAMA(神奈川) | |
三菱アートゲートプログラム「MC FOREST」 /三菱商事ビル1F(東京) | |
たいせつなもの展 /靖山画廊(東京) | |
2019年 | 第七回悠々貫々展 /ギャラリー専(仙台) |
悠々貫々展ー東北芸術工科大学日本画修了生展ー /仙台三越美術画廊(宮城) | |
Future Artist Tokyo /国際フォーラム(東京) | |
Good things in life /羽黒・芸術の森(山形) | |
森のコトノハ、野のイロドリ /羽黒・芸術の森(山形) | |
REDーwomanー /靖山画廊(東京) | |
たいせつなもの展 /靖山画廊(東京) | |
2020年 | Oe EXPO /大江町町民ふれあい会館 |
「山形 美の鉱脈ー明治から令和へー」 /山形美術館(山形) | |
2021年 | Tohoku Portfolio Exhibition 2021 /Cyg art gallery(岩手) |
ゲッコーパレード本拠地企画 病/旧加藤家住宅(埼玉) | |
舞踏ニューアーカイヴ展 /北千住BUoY(東京) | |
喜多方アート自由市 /星医院画廊(福島) | |
この地から遠くへと思いを馳せて /羽黒・芸術の森(山形) | |
2022年 | 後発的当事者 /丸木美術館(埼玉) |
ウェブサイト・SNS
Facebook − https://www.facebook.com/yo.ishihara.7
ウェブサイト − https://yoishr6379.wixsite.com/leaf
過去作品画像




- お客様へのお願い
-
- 体調に変化を感じられている方はご来場をお控えいただくようお願いいたします。
- ご来場の際は、マスクの着用・手指の消毒または手洗いのご協力をお願いいたします。
- お客様同士の間隔が1m以上となるよう、距離を保ってご鑑賞いただくようお願いいたします。
- ギャラリー内における感染予防対策
-
手指消毒液の設置、全スタッフのマスク着用 、店内の定期的な換気・消毒、入場制限(会場内の人数が一定数を超える場合)