Cyg art gallery | 東北の作家に焦点を当てた企画展ギャラリー

東北の作家に焦点を当てた企画ギャラリー&ショップ

Who Comes, Who Knows

吉田和夏

Who Comes, Who Knows

2023.5.27-6.21

概要


 Cyg art galleryではこのたび岩手県出身のアーティスト・吉田和夏の個展「Who Comes, Who Knows」を開催します。Cygでは2019年以来2回目となります。

 吉田は恐竜や図鑑、地図、天体、鉱物など、天文学や地学を思わせる題材を用いた絵画の発表を中心に、ZINEやグッズの制作など多彩な活動を行ってきました。吉田の作品に触れた人は親しみやすいモチーフにまず目を惹かれ、子供の頃のワクワクした経験を想起します。さらにポップでカラフルな色合いや優れた表現力が相まって、いつの間にか独自の世界観に入り込んでしまうのです。

 今回の展示では、これまで絵の中の人物について考えてきたという吉田が、登山家が彫られた手工芸品に刺激され制作した作品を主に発表します。併せて新たなグッズなども販売予定です。
 登山家という未知の他者との出会いは、吉田の作品にどのような新しい展開をもたらしたのか。またCyg art galleryの特徴的な空間とはどのように化学反応を起こすのか。ぜひご高覧ください。

展覧会に寄せて・吉田和夏の言葉


 
 絵の中に、山に登る人が訪ねてきた。

 以前見たことのある人だが、すっかり忘れていた頃に目の前に現れた。Who Comes, Who Knows、閃きとともに何かがやってくる。

 その人は、登山人形と呼ばれる民芸品の中の人だ。白樺の木の一刀彫りの置物である。白樺の山の向こうになぜか澄み渡る青空が見えてきて、山道を行く登山家はおおらかなタッチで彫られていて微笑ましい。
 
 その民芸品を初めて見たのは「尊厳の芸術展 ─ The Art of Gaman ─」(2012年)だった。農民美術という100年くらい前の、農業が休みの期間に副業になるよう美術活動をしようという運動があって、その一つとして紹介されていた。
 見た時に欲しいと思ったが手に入らないものだと思った。展覧会のガラスケースの中のものは貴重で高価にちがいない。
 
 2021年のある日、いつものように骨董市へ行き、引き出しそのまま持ってきたって様子の箱の中に小さな登山人形が紛れていたのを見つけた。ついに家にやってきた。やってきた!小さな登山家は、逞しい足取りで今日も山に登っている。
 
 長らく絵の中に登場する「人」について考えすぎていて、どんな人物なのかなぜこの人なのかと考えるほど慎重になった。
 
 山に登る人は、山の姿が見えなくてもどこかへ向かって歩いているし、帰宅するところかもしれない。向かう先には道らしい道がなかったりする。
 
 私の絵の中で、私の知らぬ意思を持って歩く人がいるのは新しい感覚だ。
どう動き出すかはわからないけれど、この未知な感覚に振り回されつつ描いていきたい。

吉田和夏

Who Comes, Who Knows

会場

Cyg art gallery
(〒020-0024 岩手県盛岡市菜園1-8-15 パルクアベニュー・カワトク cube-Ⅱ B1F)

日時

2023年5月27日(土)─6月21日(水)
10:00-19:00

※6月20日(火)は臨時休業

在廊予定日

5月27日(土)、28日(日)

6月21日(水)

※休憩などで不在の時間帯もございます。

入場料

無料

作家プロフィール

吉田和夏/YOSHIDA Waka

画家 岩手県出身、茨城県在住

埼玉大学教育学部美術専修 卒業

セツモードセミナー 卒業

 地層の重なり、恐竜の存在、鉱物標本、骨董市でみつけた愛らしいがらくた。永い時間を感じるものに興味がある。私に閃きを与えてくれる。心はいつも、楽園について考えている。

 オアシスのような、シェルターのような、汽水域とか、昼間の温泉とか。安眠できる場所もいい。

 わかる世界にとらわれないで、柔らかに絵を描き、ものを作っていきたい。

【主な受賞・入選歴】

2007 イラストレーション ザ・チョイス大賞年度賞受賞

2008 トーキョーワンダーウォール大賞展 入選 

2014 第17回岡本太郎現代芸術賞 入選

【個展】

2021 「beyond the night」 (六本木 gallery MoMo) 

2019 「骨・鍵・味噌」 (cyg art gallery)、「やわらかに」(gallery MoMo projects)

2018 「ひとつとなりにある奇観」  (両国 Gallery MoMo)/  「mirage  room」  (平泉 SATO)

他 多数

【グループ展】

2022 「クリスマス金の板展」 (彩画堂s-space,岩手県盛岡市)

    「TEMPLE」 (seventh  gallery・オーストラリア) メルボルン

2019 「再考」 (両国 gallery MoMo)

2018 「知らない島」 (六本木 Gallery MoMo)池田幸穂さんとの二人展

他 多数

過去作品・展示

《beoond the night》アクリル、キャンバス、91cm×72.7cm、2021
《飛ぶ本》33.3cm×24.2cm、アクリル、キャンバス、2021
個展「beyond the night」 gallery MoMo projects (六本木) 2021
感染症への対策対応について
お客様へのお願い
  1. 体調に変化を感じられている方はご来場をお控えいただくようお願いいたします。
  2. ご来場の際は、マスクの着用・手指の消毒または手洗いのご協力をお願いいたします。
  3. お客様同士の間隔が1m以上となるよう、距離を保ってご鑑賞いただくようお願いいたします。
ギャラリー内における感染予防対策

手指消毒液の設置、全スタッフのマスク着用 、店内の定期的な換気・消毒、入場制限(会場内の人数が一定数を超える場合)