展覧会に寄せて

　私が初めて芸術という分野に触れたのは幼い頃に両親が読み聞かせをしてくれた絵本がきっかけでした。
　沢山の色に包まれた絵本には夢と希望と愛情がたっぷり含まれていて、今に繋がるとても大切な時間です。

　色というものは心を豊かにしてくれる親友の様な存在で、色がなければ私達の生活は正に“無”になってしまいます。

　たくさんの色を使って絵を描く様になったのは、学生時代の自由課題が始まりです。一枚のイラストボードに好きな画材で好きな物を描いていいと言われた時、当時の私は画材の色が偏ってなくなってしまうのがなんだか可哀想で、いろんな色を使えば画材も長く使えるという安易な考えのもと私の原点が完成しました。

　今回の展示「couleur」はフランス語で“色彩”という意味を持っており、初めて個展を開く私にとって特別な言葉になりそうです。フランス語の柔らかい響きに、可愛らしい動物達がはしゃいで遊んだり一生懸命動く様子が相まって、幼い頃の頃の“子供心”を思い出す様な作品になっています。
　岩手に移住したことをきっかけに始まったこの道を応援して頂きたいのと共に作品を見て一度子供の頃を思い出してみてください。