Cyg art gallery | 東北の作家に焦点を当てた企画展ギャラリー

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ことづての声/ソマの舟

ふるさかはるか

ことづての声/ソマの舟

2025.6.7ー6.29

概要


青森で自然とともに生きる人びとに取材を重ねながら制作に取り組む美術家・ふるさかはるかの個展を開催いたします。
ふるさかはるかは、山の動植物のいのちと直接関わる手仕事の人びとを6年取材し、記録と考察をまとめた初めての作品集『ことづての声/ソマの舟』を制作、2023年に刊行しました。本展では、作品集の原画となった木版画・ドローイング・ピンホール写真に新作を加えて展示いたします。

展覧会に寄せて・ふるさかはるかの言葉


冬の厳しい北国で、山と直接関わる手仕事の人びとは、動植物からどんなサインを読み取り、どう自然とやりとりするのか。

青森県大鰐町、田子町、岩手県浄法寺町にまたがる山間地域で、こんな問いを抱きながら山の動植物のいのちと直接関わる手仕事の人びと〈マダギ〉〈木地師〉〈漆掻き〉〈野鍛治〉を6年間取材してきました。自然との関わりが薄くなった消費社会の中でルーツや生気を消した素材を用いるのではなく、山からの視点で生きた自然と「ともにつくる」ことを捉え直してみたいと考え、取材の記録と考察をまとめた初めての作品集『ことづての声/ソマの舟』を制作しました。

〈ソマ〉とは「きこり」を指すことばですが、季節に応じた山の百姓のような暮らしを「ソマの暮らし」と言い表すのを取材地で耳にしました。取材させていただいた手仕事の人びとは、生きた木や動物、気候に合わせて行動し、「人間の都合でやらない」といいます。例えば、漆の木から樹液を採集するのに、樹皮に傷をつけ、樹液の分泌を促すことを、〈漆掻き〉は「木をつくる」といい、漆の木と協力して樹液を生み出します。自然のいのちを読み取り生かす手仕事や「ソマの暮らし」は、ままならない自然環境に沿って生きる術を私たちに伝えてくれます。

そうした術を自身の制作の営みに取り入れ、自然と人と呼応することを試みました。ドローイングシリーズ「ことづての声」では、取材したことばを反芻するために描き、木版画シリーズ「ソマの舟」では、取材から考察したこと、得た素材を用いて描きました。自然素材と呼応してそのいのちを生かす木版画を、私は「自然と関わる手段」と捉えています。

本展では、作品集の原画となった木版画・ドローイング・ピンホール写真に新作を加え、私が日頃接している自然素材とともに展示します。自ら栽培・採集した藍と土、取材地・青森で分けてもらった漆を用い、取材した人びとと同じく自然と「ともにつくる」営みから生まれた作品をご覧ください。

ふるさかはるか

ことづての声/ソマの舟

会場

Cyg art gallery
(〒020-0024 岩手県盛岡市菜園1-8-15 パルクアベニュー・カワトク cube-Ⅱ B1F)

日時

2025年6月7日(土)─6月29日(日)
11:00-18:00

水曜日・木曜日 定休
6月10日(火) 休業

※営業時間・休業日の最新情報は Cyg art gallery ウェブサイト・SNSにてご確認ください。

作家在廊日

6月7日(土) 終日
6月29日(日) 終日

※休憩などで不在の場合もございます。

入場料

無料

作家プロフィール

ふるさかはるか(木版画家)

1976年大阪府生まれ。美術家・木版画家・木版画アトリエ空中山荘 主宰。フィンランド、ノルウェーなど北欧での滞在制作を経て、2017年からは青森で自然とともに生きる人びとに取材を重ねながら制作に取り組んでいる。自ら採集した土、自ら育てた藍から絵具をつくり、木のかたちや木目を生かして版木をつくるなど、木版画を「自然と関わる手段」と捉えている。2023年、青森での取材をまとめた作品集『ことづての声/ソマの舟』(信陽堂)を出版。2024年、企画展「大地に耳をすます 気配と手ざわり」(東京都美術館)では青森で制作した大型漆木版画を発表。取材地で出合った漆に注目し、その樹木を版木に、樹液を絵具に取り入れた作品を試みている。
harukafurusaka.net | kucyusansou.com

参考作品

《山かけと懺悔》(2023)木版 藍,土,紙 565x1540mm
《光の話》(2023) 木版 藍,土,漆,紙  392x565mm
《ことづての声》部分(2020) ドローイング 藍,漆,紙  392x565mm

《漆林_夏》(2022) ピンホール写真

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