Cyg art gallery | 東北の作家に焦点を当てた企画展ギャラリー

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巡回展「波のした、土のうえ」in盛岡

小森はるか+瀬尾夏美

巡回展「波のした、土のうえ」in盛岡

2015.8.28〜9.13

概要


陸前高田に流れた4年間の記録をもとに制作した作品群による展覧会「波のした、土のうえ」が盛岡へ。
絵画と映像を中心とした作品と、多数のトークイベントを通してその土地の人びとと対話をしながら日本各地を巡回する。

展覧会に寄せて


大津波から4年と約半年。それぞれにとってのこれまでがあったと思います。津波に洗われた東北の沿岸部にも、東京にも関西にも九州にも、どこに暮らす人びとにも、それは同じようにあったでしょう。
私たちは東京の大学院生だった2011年4月に初めて東北の沿岸部を訪れ、地域の人たちに助けられていく体験を通して、「ここに生きている人たちの声を誰かに届けたい」と考えるようになりました。そこで、時間や距離を越えて声を届けるひとつの方法として、「記録」に向き合い始めます。 2012年春には岩手県沿岸の南部に位置する陸前高田市に拠点を移し、その土地のなかで暮らすことを選びました。
私たちはただただ、日々変わっていく風景を目の当たりにしながら、陸前高田の人びとに話を聞かせてもらいながら、4年間の移り変わりの傍らに身を置き続けました。私たちの作品は、この土地と、この土地に生きる人びとの声を拾おうとする一連の行為の集積と言えるかもしれません。同時にそれらが土地の記録の一部となり、声を届ける媒体になろうとする「表現」のひとつの形になるように、と考えています。
本巡回展は2014年冬に発表した「波のした、土のうえ」という作品群の展示を軸とするとともに、訪れる各地で出会うであろう人びととの対話を目的としています。大津波に洗われた陸前高田に経過した4年の時間と同じように、他の土地に流れた時間もまた、あの時誰かが予想したどれとも違うものであったでしょう。声を届けながら、声をあつめていく。巡回の過程を通して、私たちの作品はより多面的なものに変化していくのだろうと考えています。
大津波から5年目のある日に、作品を通して、あなたと出会えたら幸いです。

2015年8月
小森はるか+瀬尾夏美

小森はるか+瀬尾夏美

巡回展「波のした、土のうえ」in盛岡

日時

2015年8月28日(金)-9月13日(日)
11:00-19:00

会場

Cyg art gallery

入場

無料

作家プロフィール

映像作家の小森と、画家で作家の瀬尾によるアートデュオ。2011年4月、ふたりで沿岸部のボランティアに訪れたことをきっかけに結成。2012年4月に岩手県気仙郡住田町へ移住。沿岸の陸前高田市を中心に、移り変わる風景や人びとのことばの記録を続けている。また、記録を未来や遠くの人に受け渡すための表現について考えながら、多様なアート表現をつくり出している。
http://komori-seo.main.jp/

2012年 「つくることが生きること」(3331 Arts Chiyoda/東京)
2012年 「3.11とアーティスト|進行形の記録」(水戸芸術館/茨城)
2012年〜 「陸前高田未来作戦会議」(陸前高田市内/岩手)
2013年 「まなざしの先に」(川口市メディアセブン/埼玉)
2014年 「Art Action UK Residency Program」(Husk Gallery/ロンドン)
2014年 「震災と表現. BOX ART 共有するためのメタファー」(リアス・アーク美術館/気仙沼)
2014年 「DeptfordX」(St Paul’s Church/ロンドン)
2014年 「記録と想起-イメージの家を歩く-」(せんだいメディアテーク/仙台)
2014年〜 「けせん、たいわ、つむぎ」(陸前高田市内/岩手)
2015年 「レコーディングインプログレス」(せんだいメディアテーク/仙台)
2015年 「Those who go east」(white conduit projects/ロンドン)
2015年 「Sharing as Caring 4」(Heidelberger Kunstverein/ハイデルベルク・ドイツ)
2015年 「あたらしい地面/地底のうたを聴く」(ギャラリー・ハシモト/東京)

こもり・はるか◉映像作家。1989年静岡県生まれ。東京芸術大学美術学部先端芸術表現科卒業 同大学院修士課程修了。2013年-2014年は高田町の食堂かもんで働いていました。

せお・なつみ◉画家、作家。1988年東京生まれ。東京芸術大学美術学部先端芸術表現科卒業 同大学院修士課程油画専攻修了。2012-2014年度は高田町の大坂写真館にてカメラマン、編集者として働いていました。

関連イベント

Event

シネマてつがくカフェ「波のした、土のうえ」小森+瀬尾作品「波のした、土のうえ」をみなさんとともに鑑賞したあと、対話の場・シネマてつがくカフェを開きます。
どうぞお気軽にご参加ください。休憩時にはお飲物とお菓子をご用意しております。

日時2015年9月6日(日)
14:00-17:00
会場Cyg art gallery
参加費300円/申込不要
てつがくカフェとは?てつがくカフェは、わたしたちが通常当たり前だと思っている事柄からいったん身を引き離し、「そもそもそれって何なのか」といった問いを投げかけ、ゆっくり お茶を飲みながら「対話」をとおして自分自身の考えを逞しくすることの難しさや楽しさを体験していただこうとするものです。
てつがくカフェ@せんだい
考えるテーブルてつがくカフェ
ファシリテーター西村高宏
にしむら・たかひろ◉てつがくカフェ@せんだい、Cafe Philo(カフェフィロ)、東北文化学園大学 医療福祉学部 教授(専門分野:臨床哲学)

近田真美子
こんだ・まみこ◉てつがくカフェ@せんだい、東日本大震災を〈考える〉ナースの会、東北福祉大学 健康科学部 講師(専門分野:精神看護学)

Event

トークイベント小森・瀬尾とゲストを交えたトークイベント。参加無料、お申し込み不要です。

2015年9月5日(土)
14:00-16:00
ゲスト:酒井耕

さかい・こう◉東京農業大学在学中に自主制作映画を手掛け、卒業後、社会人として働いた後、2005年に東京藝術大学大学院映像研究科監督領域に入学。黒沢清、北野武らに師事し、在学中に長編『ホーム スイート ホーム』、修了制作『creep』(2007年)などを制作。2011年東日本大震災後、濱口竜介氏と共同で東北記録映画三部作『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』を監督。現在は、仙台で民話の記録活動を続けるほか、地域の映像アーカイブ活動に関わっている。
2015年9月12日(土)
14:00-16:00
ゲスト:阿部裕美・野田尚紀

あべ・ひろみ◉陸前高田市高田町生まれ。震災前は夫とともに和食「味彩」を営業。震災後は陸前高田災害FMパーソナリティとして活動。地元に寄り添った丁寧な取材と言葉選びで多数の人気番組を生み出し、地元のみならず、全国にファンをつくる。現在は災害公営住宅にて、コミュニティづくりのお手伝いをしている。

のだ・なおき◉1968年盛岡市生まれ。盛岡一高を経て、早稲田大学卒業。1992年、IBC岩手放送入社。報道カメラマン、記者、ディレクターとして番組制作に携わる。2007年退社。総務省岩手県テレビ受信者支援センター(デジサポ岩手)次長を経て、2012年、映像制作配信会社「株式会社フロムいわて」を設立。代表取締役。岩手県立大学大学院総合政策研究科博士後期課程(放送・通信メディア研究)在籍中。
2015年9月13日(日)
14:00-16:00
ゲスト:清水建人

しみず・けんと◉1976年岐阜県生まれ。せんだいメディアテーク学芸員。2001年より現職。メディアテークにおける展覧会事業および、市民協働事業の企画運営を行う。近年担当した主な企画展は「高嶺格 大きな休息」(2008年)、「高橋匡太 光の航跡」(2009年)、「開館10周年 いま、バリアとはなにか」(2010年)、「志賀理江子 螺旋海岸」(2012年)、「記録と想起・イメージの家を歩く」(2014年)など。

Reception party

レセプションパーティー ギャラリー内で作家を囲み、お飲物と軽食を楽しんでいただく立食パーティー。どなたでも参加できます。

日時2015年9月12日(土)19:00-
会場Cyg art gallery
定員35名程度(予約者優先)
参加費1000円(1drink付き)
ご予約参加はご予約優先とさせていただきます。
ご予約はこちら

共催:Cyg art gallery、小森はるか+瀬尾夏美
協賛:株式会社フロムいわて
デザイン:浅田大輔
記録:細谷修平
字幕制作:加藤久美子(Penguin Translation)
助成:公益財団法人朝日新聞文化財団、企業メセナ協議会GBfund、公益財団法人野村財団
協力:趙純恵、一般社団法人NOOK、せんだいメディアテーク3がつ11にちをわすれないためにセンター、てつがくカフェ@せんだい
感謝:阿部裕美さん、鈴木正春さん、紺野勝代さん、陸前高田のちっちゃな花菜(はな)畑のみなさま、喫茶風(ぷねうま)、陸前高田災害FM、佐々木農機、食堂かもん、大坂写真館、佐藤たね屋、陸前高田のみなさま、住田町のみなさま

感染症への対策対応について
お客様へのお願い
  1. 体調に変化を感じられている方はご来場をお控えいただくようお願いいたします。
  2. ご来場の際は、マスクの着用・手指の消毒または手洗いのご協力をお願いいたします。
  3. お客様同士の間隔が1m以上となるよう、距離を保ってご鑑賞いただくようお願いいたします。
ギャラリー内における感染予防対策

手指消毒液の設置、全スタッフのマスク着用 、店内の定期的な換気・消毒、入場制限(会場内の人数が一定数を超える場合)