本田恵美
HONDA megumi
 天心 /2013年など |
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 Breath13-11/2013年 |
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 仕草11-52/2011年 |
 仕草8-73a /2008年 |
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私の原風景は、小さい頃砂浜で遊んでいた時に見た、波に洗われ風化した貝殻の白い色です。その貝の白は夕日に映えて、とても美しく輝いていました。それはまるで、太陽の光のように、私に多くの意味を示唆しているように感じました。その経験から、私は「白」という色の持つ力を表現し、多くの人と共感したいと感じるようになりました。
そして、辿り着いたのが「胡粉」の白でした。胡粉は、貝を風化させ粉末にした日本古来から使われている白の顔料です。それを素焼きした粘土に、膠を使って幾度となく塗り重ねていきます。能面や御所人形の製法と同じです。その肌は柔らかく光を受け、独特な輝きを発します。
私は、自分が求める白を表現するために、シンプルで抽象的な形を好みます。多くの形が存在するこの世界に、今現在の感覚に合った形や普遍性を備えた形は、より力をもって輝いています。そのエッセンスを抽出して形にしています。
Breathシリーズもそのようにして生まれました。どの作品でもそうなのですが、作る当初はその作品を作りたくなった理由がわかりません。けれど、時が経つと少しずつその意味が解ってくることがあります。Breathは、人間の肺胞の形のようであり、ウニの骨格、海綿の穴、キノコの網のようでもあります。そこに寄せる思いは、「どんな時も深く呼吸をしていたい=自分らしくありたい」ということと「自分の内と外の境界をなくしたい」というものでした。
私は日々「生きる」ということの答えを、風や植物の動き、野生の声など、自然の「仕草」に多くを見出してきたように思います。私達はいつかすべてが「ひとつ」になるために生き・学んでいるのだと思います。人の思念や動植物やモノも、すべて同じエネルギーであり、意思をもっているように感じます。
私の作品は手のひらに納まってしまうような小さな作品が主です。子供が直感的に触れ戯れながらモノの本質を自分の中に取り込むように、「掌(たなごころ)」つまり“手の心”で感じてほしいと願うからです。そして、人々の日常空間の中に在って欲しいと願うからでもあります。
白い作品を作り続けてきて思うことは、私にとって白とは「最も光と仲の良い色」であるということです。そして自然界の白は手に入れがたく、移ろいやすいものが多いのにも気付きました。白い花や白い雲は言うに及ばず、白い骨は肉に隠され、死を経て手にされるもの。白い貝は肉(生命)を収めていた器。風雨にさらされ、時に研磨され、それはさらに輝きを増します。白の上に在る光は「死と共にある生」を感じさせ、始まりも終わりもない世界を予感させる純粋な存在として私を魅了し続けるのだと思います。
プロフィール
| 1972年 |
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埼玉県久喜市生まれ
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| 1974年 |
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宮城県桃生郡鳴瀬町(現 東松島市)に育つ |
| 1995年 |
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東北生活文化大学 家政学部生活美術科 卒業 |
| 2004年 |
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岩手県遠野市に転居 |
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岩手県遠野市在住 |
主な活動
| 2004年 |
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リアス・アーク美術館開館10周年記念展(リアス・アーク美術館/宮城・気仙沼)
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| 2006年 |
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岩手県美術選奨 受賞
‘05県美術選奨受賞者によるアートの風展(風のギャラリー/岩手・盛岡) |
| 2007年 |
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個展「種を蒔く」(ギャルリ・プス/東京)
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| 2009年 |
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本田健本田恵美二人展(岩手県公会堂ギャラリー22号室/岩手・盛岡)
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| 2010年 |
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岩手県公会堂アート・ショウ2010(‘05・‘07)(岩手県公会堂・石井県令私邸/岩手・盛岡)
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| 2011年 |
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Postcards From Japan(セントジョーンズ教会/イギリス・エジンバラ 他)
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| 2012年 |
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本田健本田恵美展+アーティストチャリティー2012(‘13・‘14) (雲雀舎/新潟・長岡)
諄子美術館企画 個展(‘05)(諄子美術館/岩手・北上)
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| 2013年 |
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佐立るり子・本田恵美二人展(ミュゼマエナカ/宮城・蔵王)
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| 2014年 |
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女流作家5人展2014(‘06~‘13)[7月予定] (ギャラリー土夢/岩手・一関)
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